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- 2023.11.12 Sunday
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先月の頭に書いていたM.Aの感想。そろそろ千秋楽を迎えるということで、やっとこさUPしてみました。かなり記憶が曖昧になっているので、その時のまま。そして以外に長文です。
今年初の帝国劇場での観劇は『マリーアントワネット』でした。
上演時間は3時間15分程。レ・ミゼと同じ位。
でも2幕始まりからラストまではちょっと間延びしたというか、長いなぁと感じるところもしばしば。もうちょっとシェイプできるんではないかな〜などと思いました。
でもラスト付近はなかなかよくて、マリーアントワネットが捕らえられてから、というか革命が始まってからは面白かったですし、マリーアントワネットに泣かされました。ラスト付近までは泣くことになるなんて考えてもみなかったので、ハンカチ、ハンカチ・・・とアワアワしました。
全体的に音楽はよかったんですが、実際観終わって耳に残っていたのはマルグリットの歌った「100万のキャンドル」と「心の声」くらいでした。
レ・ミゼは初めて観劇した時の帰り道思わず「民衆の歌」を口ずさんでいたなぁと思い返すと、ちょっと印象が薄い気もします。
今回キャストの入れ替えがあるのはマルグリット・アルノー役で、レ・ミゼでもおなじみの新妻さんと笹本さんが演じています。
私は新妻さんで見ましたが、彼女とっても歌が上手い。歌が上手い・・・ってそりゃあ当たり前か。いい表現が思いつかないんですが、聞き応えがあります。とっても。高音も低音もしっかりしていて、どの音も無理している感じがない。暴徒の中で叫び訴える歌声は迫力満点でした。
これはエポニーヌの時も思ったことですが、声量もすごいんでしょうね、きっと。
でもエポ役の時は実は今回ほど「上手い!!」と思ったことなかったんですよ。
キャラクターのせいか、はたまた私がレ・ミゼで見た時から一段と力をつけているのか。
レ・ミゼがますます楽しみになってきました。
さて、今回のタイトルにもなっているマリーアントワネットについてもいくつか。
このミュージカルは彼女の生涯がメインに描かれているわけではありませんが、もちろん物語の主軸になっています。フランス革命と彼女を切り離して考えるわけにはいかないですもんね。
実は私一時かなりフランス革命について詳しかった時期がありました。
それはなぜならば、ベルサイユのばらにはまっていたから・・・
もちろんもともと興味はありましたし、マリーアントワネットを知らないなんてことはありませんでしたが、よくも悪くもベルばらという作品が私のイメージにかなり根強く影響しています。
そのせいもあって、涼風さんは美人で知的なんですが、マリーアントワネットにはちょっと貧相に感じられました。貧相というと言葉が悪いですが、なんというか彼女はすこしボーイッシュすぎる気がしました。世間知らずのお嬢さんというよりは、少年のようです。王妃、しかもフランスを意のままに動かすほどの確固たる威厳のようなものが薄い感じがしました。しかしながら、やはり彼女は大人の女性。フェルゼンとのシーンでは妙に色っぽくというか艶かしい感じになるんですよね。これは今さん演じるフェルゼンのキャラも大きいとは思います。なぜか二人のシーンがとても生々しい。
これが井上フェルゼンだったらこんなに生々しくはならないのかな〜と想像してみたりしました。
マリーアントワネットはわがままも言うし、贅沢三昧だけれど、有無を言わさずというようなところがあって、でもフェルゼンと居る時はまるで少女のようになる、というのが私のイメージなんですが、涼風さんのイメージはちょっと違うんですよね。
と、あんまり褒めてないですが、ラストはよかった。
あの牢に入れられ、断頭台送りになるときのアントワネットはよかった。迫力と悲しさとあきらめと誇り高さみたいなものが入り混じっていて。
終わりよければ全て良しみたいな感じでしょうか(笑)
そして、山口さんはあぁいう得体の知れない役がやっぱりよく似合う。マントの使い方も上手いしね。でもこのミュージカルに果たしてカリオストロは必要だったのか。もっと違う演出があったのではないか。その気持ちは否めないのでありました。
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本当は笹本さん版でも1度くらい観てみたいと思っていたんですが、そんなこと言ってる間にあと何日かで千秋楽ですね。
音楽が耳に残らない、というような感想書いてましたが、M.Aの動画を繰り返しみているうちに実はちょっとCD欲しくなってきました。
動画の中で「心の声」を歌ってる時の笹本さんの表情すごくいいです。
彼女本当に成長しましたね。って上から目線みたいな発言ですが、ここは年上ってことで大目にみてもらうとして、実際に年齢的にも成長したからでしょうが、歌の質もバリエーションというか表現の幅が広がったように感じます。
例えば怒り・悲しみ・喜び・憂い、などなど感情っていろいろありますが、今までの笹本さんは場面場面でその中のどれかひとつを強く演じている、というように感じていましたが、MAの(しかも動画)を見た感じでは、ひとつの曲でいくつもの思いを同時に表現できているな、と。しかも表情の作り方もいい。どんどん変化する彼女、素敵ですね〜
若いって素晴らしい!
この本を初めて読んだ時、私が思ったことは
「戦闘開始ですか、よしながさん」
ということでした。
もう10年以上も前の対談で、
「女性が(あるいは男性が)こうして当たり前だというような固定概念のおかしさを、
“書く(漫画でも小説でも)こと”を通して訴えていきた」というようなことを仰っていましたが・・・
きっと当時の若さゆえの気持ちとは違えど、
そのファイティングスピリッツは健在なのではないかと思いました。
よしながさんの作品全体にも言えることだけど、
この『愛すべき娘たち』にはグダグダ説明するでも説得するでもない実力行使のような力、
問題をドンっと我々の目の前に曝け出し「どうすんの?」と突きつけられるような
なんとも言えないテロっぽさがある。
生々しいくらいに見せ付けて、でも後はあなたのご随意にという自由を残す。
なんて小憎らしい漫画でしょうか。
そして漫画だからこそ出来る力技なのかもしれない。
この本に収められたどの物語もさらりと読み流せないパワーがある。
読み終わったあとは実はかなりの疲労感に襲われたりもする。
でもだから面白い。
このテロっぽさは『大奥』にて極まり、深まり、消化されて、
またよしながふみを読んでしまうのでした。